普段から元気で、仕事でも勉強でもバリバリこなしていたのに、ある日急にやる気をなくして、活発に動かなくなる。そんな人を見たことがある、もしくは自分がそうだという方は、たくさんいるのではないでしょうか?この症状は、世間では「燃え尽き症候群」と呼ばれている、心の病気の一種です。特に勉学や労働を一生懸命行うことに美徳を覚える日本人には多く見られる症状で、現代の社会問題にもなりつつあります。重症化すると、うつ病など重大な病気にも発展する危険もあります。燃え尽き症候群の症状、特徴や予防、治し方をご紹介します!
燃え尽き症候群の原因・症状
燃え尽き症候群(バーンアウト・シンドローム)は、心の疲労や欲求不満、ストレスが蓄積することで発症する精神障害です。
一生懸命に頑張って来たのに、報われる結果が得られない、一つの目標に向かって邁進していた人が、その目的を見失ってしまう、などといった状況が原因で発症します。
緊張感やストレスが最高潮に達し、ある時急に、フッと張り詰めていた糸が切れる。そんな感覚に陥るのが、燃え尽き症候群の特徴です。一番典型的な例が、難関大学に合格するために頑張って勉強する受験生です。
目標が「大学に合格する」という一点に絞られるため、実際に合格してしまうと、その先、大学で何がしたいのか分からなくなり、入学後はやる気なく過ごしてしまう人も出てきます。
また、会社に貢献して必死で働いてきたのに、昇進も昇給もできずに終わってしまうサラリーマンなども、こういった燃え尽き症候群に陥りやすい傾向にあります。
燃え尽きやすい人の特徴
燃え尽き症候群には、なりやすい特徴を持った人とそうでない人が存在します。そのタイプは人によって様々ですが、特に傾向が強い三つの特徴をご紹介します。
真面目で努力家
とにかく頑張り屋さんで、どんな仕事でも一生懸命、全力投球で行う熱血タイプです。このタイプは周囲からの期待を背負って頑張ろうとするため、エネルギーの消費が激しく、疲れが急に出ることが多くなります。
休息をとっても少し疲れが回復すると、また全力で頑張ろうとするため無理が積み重なり、それが慢性化して燃え尽きてしまいます。
理想が高い
完璧主義で、仕事も勉強も、自分が納得するまできっちりやらなければ気が済まないタイプです。このタイプの人は、目標のボーダーラインを高く設定していることが多く、中々辿り着けないということも少なくありません。
目標に到達できない苛立ちがストレスとなり、次第に諦めが勝ってくることによって目標を見失い、一気に燃え尽きてしまいます。
燃え尽きると共に心が折れ、「自分には実力や才能がないのだ」と自信の低下にも繋がるため、一度燃え尽きるとなかなか自信を取り戻せず、回復が困難なタイプでもあります。
上手に休憩できない
日頃から残業や補講を繰り返し、家にまで仕事や課題を持ち帰るなど、休む時間も惜しんで目標に向かって突き進もうとする人は、気付かない間に疲労を溜め込むタイプです。
このタイプの人は、上手に休息をとることや、メリハリのある生活をすることが苦手がという特徴があります。
常に心身がフル稼働している状態だと、脳が疲労したままになりがちで、知らず知らずの間に燃え尽きて動けなくなってしまう、ということになりかねません。
早めのサインに気付いて予防しよう
燃え尽きる前というのは、体も心も「辛い」と悲鳴を上げ始めるタイミングです。必ず、何らかのサインを発して、伝えようとしています。その心身の悲鳴にできるだけ早く気付いてあげることで、燃え尽きる前に症状を緩和させることができます。
作業効率が落ちる
延々と何かの作業を続けていると、ミスが増えたり手が止まったりすることがあります。そんな時には、脳の情報処理能力が疲労によってパンクしかかっているため、正常に働かなくなっているのかもしれません。
集中力が落ちると時間を浪費するだけで成果が少なくなったり、思わぬ事故を引き起こす危険もあります。頭の働きが鈍いなと感じたら、頭を冷やしたり別のことを考えて気分転換するなど、脳を休ませてあげてください。
ため息が増える
無意識に吐いてしまうため息。気付くと息を吐いているなと気付いたら、疲労がピークに達しつつあるサインです。
ため息は吐くことでストレスを発散する効果があるとも言われていますが、あまり回数が多いとネガティブなイメージも強く、自分にも周囲にとっても気分の良いものではありません。
楽しいことを考えて、しっかりと脳を休息させることで、ため息の数を減らすことができます。
燃え尽きてしまった後の回復法
気付いた時には燃え尽きていて、何も考えられなくなってしまった。そんな時には、ゆっくりと休息して、体内の生気を養っていくことが最も大切です。
可能であればしばらく忙しい生活から離れて、好きなことをやったり、静かな公園や観光地に行ってのんびり過ごすなど、疲れた心身を休ませてあげましょう。
今まで溜め込んできた疲労やストレスを回復させるためは、溜め込んできたのと同じくらい時間がかかる、ということだけは念頭に置いておきましょう。
最後に
目標を持ち、それに向かって突き進んでいく向上心は大切であり、素晴らしいことです。でも、情熱を傾ける目標を間違えたり、後先を考えずにがむしゃらに突き進むことは、脳や体に負担をかけるだけで、何の結果も残せないのです。
物事を効率よく進めるためにも、冷静さや休息の大切さを学んでいく必要があるのかもしれません。
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