病院に通院したあと、近くの薬局のかたに「おくすり手帳」はありませんか?となんだか聞かれるようになりました。実は新しい制度により、おくすり手帳を出すだけでちょっとした節約になるのです。このおくすり手帳、賢く使える方法があるのです。
2016年4月よりおくすり手帳を出すことで、お薬代が安くなります
「今後おくすり手帳があると、お支払いが若干安くなるんです」
院外処方で行きつけにしている薬局より、最近言われたこと。
「え?安くなる?」
聞けば2016年4月より『薬剤服用歴管理指導料』の点数が、同じ薬局に手帳を提出することで下がるのだそう(一定条件あり)。金額にすると3割負担なら40円ほど、1割負担なら10円ほどお安くなる計算です。
「おくすり手帳使いません、説明もいりません」
薬局で断れば安くなる、そんな噂も過去ありましたね。我が家は子どもの受診が多いので、事前に知るチャンスはあったと思うのに、まったくの初耳。
おそらく自治体の助成制度で支払いがほぼ一律(地域によっては無料)なため、『高い・安い』にやや鈍いのかもしれません。薬局で知り得たのはラッキーで、その場で1冊頂戴しました。
自分には無頓着だったおくすり手帳ですが、反対に、子どもたちの分はかなり活用しています。処方を医師と薬剤師がダブルチェックし、薬のトラブルを減らしてくれる『おくすり手帳』。これが使い方次第で、薬代も時間も、節約に結びつけられるのです。
おくすり手帳に効果の様子をサラッと書き足す
上の子が乳児の頃、抗生物質を処方され不安でしたが数日で回復。苦しそうだった便秘も解消し、「抗生物質効くなあ」と思いました。数年後、下の子も似た症状で同じ処方。ところがこちらはお腹が下りっぱなし。再診で先生に伝えたら
「抗生物質やめて良かったのに」
とアッサリ。
「え? 勝手にやめていいの?」
薬によってはそうした対処があるんですね。そしてよくよく考えれば上の子、日頃から便秘気味。解消ではなく、あの子なりに下っていた(たなぼた)と後々気づいたものです。
効果や相性は、同じ薬でも子どもによって違うと実感しました。以来おくすり手帳には『受診した症状』を書き、服用して気づいた点も『一言メモ』で追記。次に受診する際、医師の判断材料にしてもらいます。
一言メモはあえて『効かなかった・合わなかった』等のネガティブ・ワードをサラッと書く。善し悪しを細かく書くと、あとで読み込むのが面倒です。
そしてネガティブな表現なら「気をつけなくちゃ」と目に止まりやすい。簡単に言えば、紙面がキレイならその薬は問題ナシ、とぱっと判断できるのです。
残薬が使えないか、あらかじめ医師に聞いておく
飲み残されている潜在的な残薬費は、年間400億円以上と推計されるそう。我が家では『調子の悪い時だけ、飲む・使う薬』が余りやすいです。
『解熱剤』『咳止めテープ』が上位を占め、残薬にしない手はないかと考えた答えが、受け身をやめる──つまりこちらから医師にアクションを起こす。
「その薬、家にまだあります。それを使ってはだめですか?」
処方箋を書く前に聞いてみます。すると医師はカルテを見て、『おくすり手帳で他の処方を確認』し、残量をわたしから聞いた上で
「そうしましょう」
と。他でも聞いたところ、案ずるより産むが易しで好意的なケースが多かったです。飲み方などの指導をきちんと受けて、薬局へ寄らずに済みました。これは、かかりつけ医だからできたのか? と思ったのですが、実はこんなケースも。
子どもが初診の耳鼻科で、診察中に鼻血が止まらない事態に。30分近くかかってようやく収まり、医師は
「念のため出しますよ」
と処置に使ったチューブをチラリ。自宅にもあるステロイド剤でした。
「皮膚科でもらった、使いかけがあるんですけど」
湿疹に処方された薬が、止血もできるとは目からウロコです。医師は『おくすり手帳』を見て
「最近開封したのね。はい、いいですよ」
と、これまた薬局スルーとなりました。
医師だから判断ができるできる変化球?余った薬の使い方判断をしてもらおう
子ども自身に処方されて余った薬は、医師に相談した上で、再活用できる可能性があると分かりました。原則、他人に渡せない薬ですが、誰でも同じく処方されやすい薬はどうなのか気になってきます。
たとえば『湿布薬』。我が家の保管スペースに、ある時期、湿布薬が押し込まれていました。夫と子どもの2人分。特に子どもは初期症状が重く、肌の負担を考えてこまめに貼り替えるようにと、再診でも処方される上限まで頂戴できました。
ところが、さすがの若さ、さすがの快復力。ある日を境に、ぱたっと湿布薬いらずになりました。
「治りが早くて良かったんですけど、湿布がもったいなくて」
後日、同じ整形外科にお世話になったわたし。診察中の会話で、ついこんな貧乏くさい話を……。すると医師は
「2種類出したと思うけど、おかあさんは銀のパッケージを使って」
と思いも寄らぬ医師の機転。おかげで薬代が丸々浮きました。重ねてお伝えしますが、他人への薬の譲渡は遠慮ください。
けれどこの件の湿布薬は
『きちんと医師の指導あってのもの』
ですので堂々と使いました。薬の使われ方は、医師のカルテと、薬剤師のパソコンデータだけに記録されている訳ではないのです。わたしたちの持つ情報も、立派な薬歴。受診の際にちょっと一言を習慣づけてはどうでしょうか?
まとめ
おくすり手帳に関わる実体験を綴りましたが、当然ながら、すべての医師がそう対処してくれるとは限りません。
- 『病院の方針』
- 『患者の言葉を鵜呑みにしない』
といった慎重論も大事です。また薬にも使用期限があります。開封すれば劣化し、医師が狙う通りの効果が得られないことも。家庭の残薬を活用する場合は、ざっくりとでも薬の状態を把握し、自己管理できてこそとお考えください。
ここでは『おくすり手帳のポテンシャル』に気づいて頂けたら幸いです。日本の医療費問題は年々深刻さを増しており、健康保険の仕組み、その根底が揺るがされています。
平凡な主婦をしているわたしの周りでさえ海外赴任する家庭が増え、わたし自身も外国人ファミリーとご近所づきあいする世の中です。海外の病院事情は自然と耳に入り、聞けば聞くほど、日本の病院と健康保険のしくみは有り難いと感じます。
薬は、適量を処方。そして使いきる。一人ひとりができる範囲で心がけて、現状レベルの医療を、子どもたちの時代へと引き継いでいきたいですね。
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