有機栽培や無農薬栽培と聞くと、健康的で安全なイメージがありませんか?確かに、そういう商品は安全性をうたって売られていることが多いです。また、農薬を心配して、野菜や果物を、とてもていねいに洗っている人もいることでしょう。では逆に、農薬とはどれだけ危険なものなのでしょうか?今回は、身近なものであるタバコ(ニコチン)の危険性と、日本でよく使われている一部の農薬の危険性を比べてみました。
比べる農薬は?
今回、ニコチンと比べてみる農薬は、ネオニコチノイド系農薬です。これは
- 野菜
- 果物
- イネ
に広く使われていて、日本では
- クロチアニジン
- ジノテフラン
- ニテンピラム
- イミダクロプリド
- チアメトキサム
- アセタミプリド
- チアクロプリド
の7種類が認可されています。 近年、ネオニコチノイド系農薬はミツバチの大量死の原因という説が囁かれていて、環境への影響が心配されています。また、あくまでシャーレ内の実験ですが、ヒトの神経の発達を阻害するという研究結果もあります。
何を使って比べるの?
今回比べるのは、残留農薬の量を決めるのに参考にされている各ADIの値です。ADI値とは、一日許容摂取量(Acceptable Daily Intake)の略です。これは、無毒性量をさらに1/100(場合によっては1/200~1/500)にした値です。単位は mg/kg(体重)/日です。つまり、この値が高ければ高いほど安全だといえます。
無毒性量とは、動物を用いたデータを元に、一生涯にわたって毎日摂取しても何の毒性影響も認められない量(NOAEL: No Observed Adverse Effect Level)のことです。この無毒性量は実験動物に対するものなので、ヒトに適用するために、無毒性量を通常100の安全係数で割ってADIを算出しています。
実際のADI値は?
- クロチアニジン:0.097 mg/kg体重/日
- ジノテフラン:0.22 mg/kg体重/日
- ニテンピラム:0.53 mg/kg体重/日
- イミダクロプリド:0.057 mg/kg体重/日
- チアメトキサム:0.018 mg/kg体重/日
- アセタミプリド:0.071 mg/kg体重/日
- チアクロプリド:0.01 mg/kg 体重/日
ニコチンのADI値は?
では、ニコチンのADI値はいくらなのでしょうか? 正確には定まっていないのですが、なんと0.0001mg/kg体重/日程度の可能性があるとのことでした。ネオニコチノイド系農薬とは、文字通り桁違いです。
[参考]
http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu02900010188
つまり、ニコチンのほうがネオニコチノイド系農薬よりはるかに危険ということです。
まとめ
ADI値からするに、農薬よりもタバコを気にしたほうが、はるかに健康にいい可能性があります。日々の食べ物のネオニコチノイド系農薬を気にするより、タバコを止めたり副流煙を気にしたりする方がいいでしょう。 ※最近、タバコの先につけて喫煙すると煙の害を軽減するとうたっている商品がありますが、これは過大広告として消費者庁から注意を受けています。煙のニコチンやタールが気になっても、あまり期待しないようにしましょう。
[参考]
表示対策 | 消費者庁
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