「適度な運動」とは、どのくらい運動すればよいのでしょう。よく健康維持や運動不足解消に「適度な運動をしましょう」などという言葉を耳にしますが、どのようにして適度かどうかを判断すればよいのか悩みますよね。「なんとなく、これくらいかな?」と感覚で運動をしている人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、適度な運動を判断する簡単な方法をご紹介します。
適度な運動量は人それぞれ
人間の年齢・性別・体力・健康状態・運動経験などにより、適切な運動強度(運動の強さ)は人それぞれです。
適切な運動量は、運動の効果が得られる最低の運動量ライン「有効限界」と、安全でケガのリスクが少ない運動量ライン「安全限界」の二つの目安に収まる量と言われています。
運動量を判断する基本の目安は、ジョギングや水泳といった運動の種目だけでなく、「強度」「時間」「頻度」の3つの要素で成り立ちます。それでは、適切な運動強度はどのように判断すればよいのでしょう。次に、自分に適切な運動強度の求め方を説明します。
運動強度は心拍数を目安に判断しよう
運動強度を自己判断する簡単な方法は、心拍数(脈拍)です。まずは平常時の自分の心拍数がどのくらいなのかを把握しましょう。運動強度は、運動直後の1分間の心拍数で計算することができますよ。
【平常時の心拍数の確認方法】
1:「起床後起きる前に(布団の中で)、1分間の心拍数を測る」
※日によって心拍数が変動する可能性があるため、3日~1週間続けましょう
※測定をするときは、人差し指と中指の2本を手首の親指側の動脈にあてます
2:「計測した心拍数の平均値を計算し、平常時の心拍数とする」
【運動強度の求め方】
「運動強度(1分間心拍数)=(220-年齢)×目標強度」
※目標強度の目安
- 健康維持であれば0.5~0.6
- ダイエット、筋力維持であれば0.6~0.7
- 筋力と体力の増強であれば0.8~
※個人差はありますが、会話しながら運動できる程度の強度としては、心拍数がおよそ100~120くらいになるでしょう。
いかがですか?例えば、40歳の男性が健康維持のために適度な運動を行う場合は、「(220-40)×0.5~0.6=90~108回/分」の運動強度(心拍数)となります。
これより心拍数が上がってしまうと、健康維持を目的とした運動量以上のレベルとなり、心拍数が下がると健康維持レベルには達していない運動量という判断になるでしょう。
運動に適さない時間帯があることを知ろう
運動は、自分の都合に合わせて空いている時間に行うことが多いのではないでしょうか。しかし、意外と知られていない「運動してはいけない時間帯」があるのをご存知ですか?
運動に適さない時間は、運動の種類に限らず極端な空腹時や食後30分以内です。空腹時は血液中の糖分が不足しているため、エネルギー源が確保できない状態です。エネルギー源が不足した状態で運動をすると、注意散漫になったりめまいを引き起こしたり、ケガなどのリスクが高まります。
空腹時は、バナナなどの果物や糖分を含むスポーツドリンクなどを摂ってから運動するのがおすすめでしょう。また、食後のお腹が満たされた状態で運動をすると、本来必要な胃腸への血液が十分に行き届かず、消化不良の原因となるでしょう。
さらに、ダイエット目的で運動をする場合は、食前の運動も避けた方がよいですね。運動後は疲れと空腹からおいしいものが食べたくなるため、運動直後は必要以上に食べ過ぎてしまう可能性があるからです。
特に運動効果が得られる時間帯は?
運動効率が良い時間帯は午前中です。朝の時間帯は運動効果が高く、運動をしていないときと比べて基礎代謝が10%ほど上がった状態で気持ち良く過ごせると言われているからです。
起床したばかりの状態では、まだ身体が十分に起きていないので、軽食を摂って空腹状態を改善してから運動を始めましょう。どうしても朝運動する時間がない場合は、仕事の合間やお昼休みを上手に利用しましょう。
お昼休みは昼食時間帯と重なり、空腹やお腹が満たされた状態での運動となるため難しいところではあります。激しい運動ではなく、ストレッチやごく軽い運動であれば食後でも問題ないでしょう。
ランチがコンビニや外食になる場合は、いつもより遠いコンビニまで足を運んだりランチのお店を歩き回って探したりするだけでも、運動不足解消につながりますよ。
夜しか運動時間が確保できない場合でも、就寝直前の運動は避けましょう。寝る直前に運動してしまうと、交感神経が活発化して寝付きが悪くなってしまいます。
日中の運動時間の確保が難しく就寝時間前に身体を動かしたい場合は、運動ではなく軽いストレッチなどで副交感神経を優位にさせてくださいね。
最後に
いかがでしたか?「適度な運動」がどのくらいなのか悩んでいた方は、ぜひ心拍数で運動強度を求めてみて下さい。
目標とする運動強度によって、自分に合った適度な運動量が変わってきます。みなさん無理をせず身体を動かして、健康な毎日を過ごしていきましょう。
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