40歳を迎えると年金のほかにも何やら支払わなくてはいけないものがあります。そう、介護保険料です。要介護状態になってしまったらお世話になる可能性が高い、在宅福祉サービスと介護保険について学びましょう。
在宅福祉サービスの体系
在宅福祉は
- 寝たきり老人
- 独居老人
- 長期療養患者
- 心身障害者
など、社会的援護を必要とする人々に対して、在宅での生活を継続させながら、必要な援助サービスを行う社会福祉の援助方法です。
最初は施設福祉に対比するものとされてきましたが、その後、在宅福祉は、社会福祉の基本理念の一つであるノーマライゼーション(正常化)を具体化するものとして捉えられ、地域福祉の貴重な柱の一つとして、重視されるようになってきています。
⑴在宅福祉サービスとは
在宅福祉サービスは、可能な限り老人や障害者を地域社会の一員として、その家庭・地域で自立して生活できるように援助するという理念にたっています。
老人福祉の問題を考える場合、老人が日常生活においても社会生活においても、その持っている能力を最大限に生かして、できる限り自立生活ができるようにすることを基本とし、老人を施設という特別な場所で処遇するのではなく、できる限り住み慣れた住居や環境のなかで周囲の人達と同じような生活ができるように条件を整え、援護することを目的とします。
⑵在宅サービスの取り組み課題
在宅福祉サービスを推進していくためには、その基礎なる施策として、次の領域が課題となります。
①在宅医療・保健・看護ケアとの連携
在宅で行える医療の分野の開発、医師による訪問指導、看護師による訪問看護、健康診断、リハビリテーションの施策など。
②在宅介護サービスの体系化
短期保護、通所ケア、ホームヘルプ、在宅入浴サービス、食事サービス、福祉機器貸与、緊急通報、福祉電話など、各種サービスの有機的組み合わせ。
③相談・情報・連携のネットワーク化
クライアントとのコミュニケーション、専門家間の連絡調査、関係機関の連携など。
④在宅の要援護者・家族の組織活動
当事者・家族が参加することが在宅福祉サービスの基盤。
⑶在宅福祉サービスの内容
高齢者の在宅福祉サービスを、その内容・形態によって類型化すると次のようになります。
①要援護者の訪問型サービス
ホームヘルプ、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、訪問歯科。
②要援護者の通所型サービス
デイサービス、デイケア、通所リハビリテーション。
③要援護者の滞在型サービス
ショートスティ、グループホーム、グループリビング、高齢者生活福祉センター。
④要援護者の生活・住環境改善型サービス
住宅改造、福祉用具給付、バリアフリー化。
⑤高齢者の生活の軽度支援型サービス
外出支援、配食サービス、寝具類など洗濯乾燥消毒サービス、買い物。
⑥高齢者の生きがい・健康つくり型サービス
食生活の改善事業、運動指導事業、生活管理事業など。
⑦要援護者緊急事態に対応するサービス
緊急通報サービス火災対応福祉用具給付。
⑧要援護者の家族支援型サービス
家族介護教室。
⑷在宅福祉サービスと介護保険の関係者
日本では、急速な高齢化に伴い、寝たきりや認知症などの要因により介護を必要とする高齢者が増加しています。これは、核家族化の増加などによる家族機能の低下も相まって深刻な社会制度となっています。
そのため、介護サービスを利用して、安全に老後の生活を送っていきたいと考えられ作られたのが介護保険制度です。
他方、介護保険制度成立により、介護の基盤が確立され、在宅福祉サービスが進展することにもなりました。
介護保険制度について
わが国の高齢化高度成長期以降に急に進みました。家庭内の女性の無償の労働による家族介護が限界に近い状況をもたらし、役10年の議論を積み重ね、2000年4月から介護保険制度が施行されました。
⑴介護保険制度の理念と目的
介護保険制度の理念は、個人の尊厳の保持、自立した日常生活の保障そして社会全体で担っていこうとするものである。
①社会全体で介護を支える「介護の社会化」:
増大する高齢者の介護費用を国民全体の公平な負担によりまかなう。
②自身でサービスを選ぶことができる選択型のシステム
従来は措置制度であり、行政処分的であったが、サービス利用者とサービス提供者が対等の関係にたって決定していく契約型仕組みへの転換。
③医療・福祉を通じた総合点なサービス提供
これまでは保健、医療と福祉が分立していたが、介護にかかわるサービスや手続き、費用負担方法などを統一したものにする。
④サービス提供機関の健全な競争による質の高いサービス
民間営利企業や共同組合、NPO法人など民間の非営利団体団体も、一定にの基準を満たせば、サービス事業者になれる。
⑤ケアマネジメントの考え方とシステムの導入
ケアマネージャーが介護を必要とする者に対して、全体としてかかわり、初期面接から始まってアセスメント、ケアプランの作成、介護サービスの標準化、合理化を実現する。
⑶介護保険制度の動向
今日は、団塊の世代が65歳以上の高齢者となる急激な高齢化を迎え、日本の介護は財政や高齢者像自体の変化により、曲がり角にきています。
財政的には持続可能な介護保険制度とするため、介護保険の給付費を抑圧・適正化の圧力が加わっています。他方、高齢者自身も新たな価値観をもち、多趣味で行動的、生涯現役という考え方を志向していくでしょう。
取り組まれている課題をあげましょう。
①予防重視型システムへの転換
制度が始まってからの3年間で要介護認定者が344万人と60%増加し、そのなかでも「要支援」、「要介護1」の増加が著しく、介護予防サービスが十分な効果をあげていなかったことが反省されています。
②新しいケアモデルの確立
介護保険制度は「在宅」を重視して出発したが、実際には却って施設への入所希望者が増えました。生活の継続性を維持するための、在宅で365日の安心の提供、新しい「住まい」、高齢者の在宅生活を支える施設の新たな役割が求められています。
また、認知症高齢者ケアなども課題です。
③地域密着型のサービスの提供
これまでの介護サービスは全国一律でしたが、保険者である市町村が設定する日常生活圏域ごとに弾力的運用できる地域密着型サービスが創設されました。
「在宅」でも「施設」でもない、「地域での自宅」ともいうべき性格のもだ。認知症対応共同生活介護(グループホーム)や、小規模多機能型居宅介護や、小さな規模で提供するサービスが含まれています。
④地域包括支援センターの設置
地域での介護支援をする中核的な機関であり、介護予防マネジメントの実施機関として機能することが期待されています。
地域ケア体制の整備
長期的な高齢者介護の在り方として、「地域ケア体制の整備」が目指されています。療養病床の転換を図る家庭を通じて、高齢者の生活を支える医療、介護、住まいなどの総合的な体制整備を各地域におけるニーズに即応して行うものです。
介護サービスについては中重度へのへの重点的な対応を図るとともに、住宅改修や住み替えによって高齢者の住まいを確保し、見守りサービス(安否確認、緊急時の対応、生活相談、配食サービス)を提供します。
在宅医療については、昼夜を問わない診療・介護を地域で確保することや、在宅におけるターミナルケアを推進するなど、地域の基盤を整備することとしています。
施策の裏側には、伸び続ける高齢者の医療費を抑制することがベースにあり、格差社会への移行、独居老人問題、年金財源のひっ迫、延命治療の対処など深い問題がかかわっており、理想の追求では済まされないでしょう。
団塊の世代が全員、後期高齢者になる2025年までには、より個人の尊厳が保障される個別ケアの徹底と、地域ケアが十分に機能し、誰もが質の高い生活を送ることができるような地域社会を目指したいものです。
最後に
実際にいま介護をされている方へ。親の介護をされた方の記事がございます。頑張らなくていいんですよ。。次の記事をご覧ください。
https://xn--q9ji3c6d1g1i0f.com/elderly-care-2862/
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